お盆にプールに行かないほうがいいっていうのはどうして?海はどうなの?

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お盆にプールや海に行かないほうがいいという話をよく耳にします。

 

お盆になるとあの世から死者が戻ってきて、プールや海で遊んでいる人を

連れていってしまうからだといいます。

 

似たような話はあちらこちらで聞きますが、迷信だよ、

といって一笑に付すこともできないこわさがあり、

実際に気にされている方は多いようです。

 

しかし、本当はどうなのでしょうか。

 

ここでは、お盆にプールや海に行かないほうがいいという理由について解説します。

 

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お盆にプールに行かないほうがいいっていうのはどういう理由からなの?

お盆とは、亡くなった先祖を供養する儀式で、毎年7月から8月半ばにかけて

行われている夏の行事です。

 

また、この時には地獄の釜の蓋があくといわれ、そこから亡くなった先祖が

この世に戻ってくると言い伝えられています。

 

家々では先祖を迎え、お盆の時期が終わると再びあの世にお戻りいただくということをします。

 

この時に迎え火や送り火を焚いたり、ナスやキュウリで馬を作ったりするのですが、

この一連の行事を行う時期がお盆ということになります。

 

死者の霊は海からやってくるといわれているために、

お盆の期間は海や川などの水辺に近寄ってはいけないとされるのですね。

 

しかし、お盆の期間は地域によって違いがありますし、

暦のうえからみても一定していません。

 

昔の日本では太陰太陽暦といって、太陽と月の満ち欠けをもとにした暦を

使っていたのですが、

明治5年に現在の新暦の使用が開始されたわけです。

 

そのため、新暦によるお盆の行事は、元の時期からは1カ月もの差があくこととなりました。

 

これは私たちが生活していくうえでの必要性から起きたことですから、

あの世とは関係がありません。

 

一方、水難事故というのはいつでも起こり得ます。

 

プールを利用する人は夏が多いわけですから、必然的に事故が起きる可能性も高くなるわけです。

 

お盆の時期にプールに行かないほうがいいというのは、

お盆の時期と水難事故の可能性といった、本来は別々のものを一緒くたにしただけの、

何の根拠もない話といっていいでしょう。

 

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お盆に海も行かないほうがいいって聞いたことがあるけど本当なの?

お盆に海に行かないほうがいいという話も、プール同様、死者の霊とは関係がありません。

 

お盆にあたる7月から8月にかけての夏土用と呼ばれる時期に、

土用波といわれる大きな波がしばしば発生します。

 

はるか南方で発生した台風による波のうねりが、1500キロメートルもの距離を越えて

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日本の沿岸に押し寄せてくるのが土用波と呼ばれるもので、

普段見られる波のおよそ2倍にもなる高さをもつといわれています。

 

特に近年は気候変動の影響によって台風が頻繁に発生しますから、

土用波の発生するリスクは高くなっています。

 

この波が原因で起きる海難事故がお盆の時期と重なるわけです。

 

また、土用波とは別に離岸流という流れが海岸付近でみられます。

 

海岸付近には大小の波が打ち寄せてきます。

 

それらの波は、沖から岸に向かう流れをもつもの、岸から沖へ向かう流れをもつもの、

さらには岸に平行に流れるものの3種類に分けられます。

 

そのなかで、岸から沖に向かっていく流れを離岸流と呼びます。

 

海岸付近ではこれら3種類の波が混じり合うことで、海に浮かぶものすべてを

様々な場所へ運びます。

 

しばしば、岸辺近くに浮かんでいたものが、気が付けばはるか沖合に流されている様子を

見ることがありますが、それはこのような波の動きの影響、特に離岸流によるものです。

 

離岸流のスピードは速く、秒速2メートルといわれています。

 

これに逆らって泳ぐことは難しく、結果として離岸流にさらわれて事故に

いたるケースが多いわけです。

 

また、離岸流はお盆の時期に多く見られるわけではありません。

 

1年を通して発生をしているのです。

 

海に潜む現実の危険としてあげられるのは、土用波、離岸流だけではありません。

 

クラゲの発生によるものもあります。

 

クラゲ自体は1年中日本近海をただよっているわけですが、

お盆以降に成体となり、活発に活動し始めるといわれています。

 

毒をもつクラゲとしては、アンドンクラゲ、ミズクラゲ、アカクラゲ、などが有名ですが、

特にカツノエボシに刺されると最悪の場合、死にいたることもありますので注意が必要です。

 

お盆に海に行かないほうがいいというのは、ここでご紹介してきたような

現実の危険があるからですね。

 

昔の漁師たちはそのことを知っていたから、死者の霊にかこつけて、

お盆の時期に海に行くことを禁忌としていたのでしょう。

 

お盆の時期の禁忌が現実的な危険ではなく、霊的なものを理由とするものに

なってしまっているのは、昔の人々はなくなった人に対する畏れの念が、

現在よりも強かったためです。

 

そのため、死者の霊による障りを理由とする言い伝えのほうが、

切実なものとして今日まで残っているのですね。

 

・まとめ

いかがでしたか。

 

お盆にプールや海に行かないほうがいいという話が、本当かどうかについて

解説してきました。

 

お盆の時期と水難事故には何の関係もありません。

 

海やプールでの事故はいつでもあり得るという前提で、

注意を怠らずにレジャーを楽しむといった姿勢をもつことのほうが大切でしょう。

 

先祖を敬い供養をするお盆を、おどろどろしいイメージでとらえるべきではありません。

 

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