初詣や七五三、さらにはお宮参りなど、お寺や神社にお参りする機会は意外と多いものですよね。
そんな時、お寺と神社の違いってなんだろう、ということを考えることはありませんか。
本来、お参りをする目的によって、お寺に行くのか、それとも神社か、というように分けて考えるのが一般的でしょう。
しかし、実際には、目的を問わず、どちらにお参りしても問題ないということになっています。
お寺も神社も同じものとして認識されているのですね。
それならば、お寺と神社は何が違うのでしょうか。
ここでは、そんな疑問にわかりやすくお答えします。
お寺と神社の違いは何?子供にも分かりやすく違いを解説!
お寺と神社の一番の違いは、お参りする対象です。
簡単に言うと、お寺では仏様、神社では神様となります。
これは教義の違いからくるものです。
お寺は仏教であり、神社は神道となります。
仏教と神道では信仰の対象が違っているので、当然、お参りする対象も違ってくるのです。
お寺では、釈迦如来、大日如来、薬師如来といった仏像がお参りの対象となります。
お参りする対象を人に似せて作ることで親しみやすくしているのですね。
これに対して神社では、お参りする対象を仏像のような形にして表現していません。
その代りに神様が宿るとされるご神体と呼ばれるものをお参りの対象としています。
昔から日本ではあらゆるものや場所に神様が宿ると考えられてきました。
山や川、石、樹木などですね。
代表的なものが鏡です。
鏡といっても現代のようなものではなく、青銅で作られた半円形のものです。
この鏡が神様の宿る依代としてご神体と呼ばれています。
これが多くの神社でお参りする対象となっているのです。
鏡の他にご神体として祀られているのは自然の石や岩などです。
なお、ご神体には、直接拝観してお参りをすることができるものもあれば、神社の奥深く隠されていて拝観できないものがあります。
二番目に、お寺と神社の違いとしてあげられるのは入口の形です。
お寺では山門、神社では鳥居と呼ばれています。
山門はお寺の正門です。
金剛力士や四天王の像などが祀られています。
もとは山の上に建てられたので山門と呼ばれています。
鳥居は神社の正門です。特徴のある形をした門でお寺の山門と違って祀られているものはありません。
山門、鳥居、いずれもそこをくぐった先は結界と呼ばれ、仏様や神様のいる神聖な場所とされています。
いわば、山門、鳥居ともに日常の空間と非日常の空間とを分ける入口と考えられているのです。
形は違っても意味するものは同じといえるでしょう。
三番目の違いは、お墓の有無です。
お寺にはお墓がありますが、神社にはありません。
もっとも、神社神道の形式での葬儀は行われるので、その方が入るお墓は存在します。
ただし、そのお墓は神社の敷地内にはないのです。
その理由は、神社神道では死を穢れとして忌むためといわれています。
四番目の違いは参拝の方法です。
両方ともにお賽銭はいれますが、その後お寺では両手を合わせて合掌します。
神社では合掌はせず、礼を2回した後、手を2回打ち、再度礼をする「二拝二拍手一拝」というやり方が取られています。
大社や神宮との違いは?
大社、神宮と呼ばれる神社とお寺との違いは、先述した内容と基本的に同じです。
祀られている神様が違うので、神社の呼び名が違っているだけの話です。
大社や神宮とは神社の格式の違いによる呼び名です。
簡単に言えば、神社神道では神社に祀られている神様によってその神社の格式が決まるとされているのです。
もっとも格式が高いとされているのが神宮で、次に大社がきます。
神宮と呼ばれる神社の代表が伊勢神宮です。
ここで祀られている神様が天照大神。
日本および天皇家の総氏神です。
つまり日本で一番偉い神様なのですね。
そのため、他に~神宮という名前をもった神社があっても、「神宮」といえば伊勢神宮のことを指すと言われるくらいに別格扱いとされています。
これに対して、大社とは、特定の地方で勢力をもっていた神様を祀った神社です。
代表は出雲大社です。
ちなみに大社の次が神社、最後が社という順番になっています。
まとめ
お寺と神社の違いについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
双方ともによって立つ教義が違うために、お参りの対象や参拝方法、施設の形式などいくつかの違いがあります。
しかし、お参りの効果はいずれも変わりません。
お寺と神社の違いなど気にせず、お参りにでかけましょう。