女の子のお子さまが生まれ、
初めての桃の節句を迎えるお父さま、お母さま、おめでとうございます。
女の子の特別なお祭りとして歴史の長い桃の節句は、
お子さまのこれからの人生に幸多くあれという願いを込めたものであり、
また離れて暮らすおじいさまやおばあさまに
お子さまの様子を報告できる機会でもありますね。
桃の節句といえば雛人形ですが、
お子さまが生まれたばかりで何かと物入りな時期では、
雛人形を購入するのも少々考えもの。
置き場がない、いつまで使うかわからない……。
雛人形は決して安い買い物ではありませんから、
心配事も多いかと思われます。
そこで今回は、豪華な雛人形がなくてもできる
初節句のお祝いについてお話します。
初節句の雛人形をう割合ってどのぐらいなんだろう?
2014年にベネッセコーポレーションが行ったアンケートでは、
「自宅に雛人形がある」と解答した人の割合は
およそ8割から9割となっています。
「雛人形を持っている」と解答した人を対象とした
「雛人形を用意した人は誰ですか?」という質問に対しては、
「初節句のお祝いとして祖父母が購入」という解答が
およそ6割となったようです。
お父さまやお母さまが用意する場合もありますが、
「生まれたばかりの孫のため」ということで
おじいさまやおばあさまが張り切ってくださることが多いようですね。
歴史あるお祝いごとのひとつですから、
ぜひとも初節句をしたいというおじいさま、おばあさまも
少なからずいらっしゃるでしょう。
しかし近年はアパートやマンションなど集合住宅に住む世帯も増え、
昔ながらの段飾りを桃の節句のたびに飾るのは難しくなっています。
「おじいさまやおばあさまの気持ちは嬉しいけど、飾る場所がない……」
という場合は、お内裏様とお雛様だけがケースに入った
「親王飾り」を提案してみるのもいいですね。
また最近では、女の子が好きなキャラクターが
お内裏様やお雛様の衣装を着た「ぬいぐるみの親王飾り」
も販売されています。
付属の箱がそのまま飾り台になるため設置や収納も簡単ですし、
ぬいぐるみなのでお手入れもそう難しくはありません。
核家族が増えたことや、それにともなう雛人形メーカーの努力によって、
さまざまな形の「雛人形」を手にいれることが
できるようになりました。
どんな形であれ「雛人形」を用意することができる家庭も増えているのですね。
初節句、雛人形なしでどうやってお祝いする?
「そもそも雛人形を買うつもりがない!」
「後々欲しいとは思っているけど、まだ生まれたばかりだから……」など、
雛人形なしで初節句を迎える理由はさまざまですよね。
それではここで、雛人形を購入しなくてもできる初節句のお祝いをご紹介します!
●願いを込めた特別な行事食でお祝い
桃の節句のお祝いを代表する食事はたくさんあります。
その中でも特に有名で、昔ながらの願いが込められた縁起のいい行事食があります。
・ちらしずし
ちらしずし自体には、決まったいわれはありません。
しかし、ちらしずしに使われる具材には、
お子さまの成長を願い厄払いをするための願いが込められています。
①「背中が曲がるほど年齢を重ねるまで長生きしますように」という願いのこもった海老
②穴があいていることから「人生の先を見通すことができますように」という意味のあるれんこん
③「まめに働き、健康でいられますように」という縁起をかついだ豆類
が代表的なものとして知られていますね。
お子さまの成長と幸多い人生を祈ったちらしずし、
作ってみてはいかがでしょう?
・はまぐりのお吸い物
はまぐりの貝には大きな特徴があります。
二枚貝であるはまぐりは、
必ず上下の貝殻がぴったりと同じ形になるように大きくなっていくのです。
上下一対になっているもの以外は
形が合わないというはまぐりの形から
「仲良しのパートナー」を連想し、
「はまぐりのようにぴったりと、長く寄り添えるお相手が見つかりますように」
という願いをこめて、
はまぐりのお吸い物を雛祭りに作るようになりました。
・甘酒
酒粕や米麹から作られる甘酒は、
桃の節句の行事食のひとつですね。
本来は桃の花の花びらをつけこんだ
「桃花酒(とうかしゅ)」というお酒を用意していましたが、
江戸時代以降はより用意しやすい甘酒へと変わっていったそうです。
桃の花の「もも」は漢数字の百の別読みでもある「もも」に通じ、
100歳まで長生きするよう願いがこめられています。
・ひしもち、ひなあられ
雛祭りのスイーツとして有名なひしもちとひなあられ。
実はこれにもきちんとしたいわれがあります。
ひしもちは白、緑、桃の三色の層がありますね。
白の層は血圧の上がりすぎを防ぐ「ヒシの実」が使われており、
緑の層は血を増やす効果が期待できる「よもぎ」が使われています。
また、桃色の層は体の中から悪いものを
追い出す解毒作用がある「くちなし」で色をつけています。
ひしもちは、お子さまの健康を気づかう親心のこもったものなのです。
ひなあられは地域によって味が違いますが、
おおむね桃色、黄色、白、緑の4色のものが多くなっています。
これは春夏秋冬の四季を表現しているとされ、
「1年じゅう幸せに過ごせますように」
という願いがこめられているのです。
●手作りの雛人形を作って飾る
お母さまとお父さまが、手作りの雛人形を
作ってあげるのも良い記念となるでしょう。
手作りでできる雛人形はいくつか種類があります。
・折り紙
折り紙には、お内裏様やお雛様ができる折り方があります。
十二単や烏帽子を再現した複雑なものもありますが、
神社本庁のホームページがお子さま向けに
簡単な「紙びなの折り方」を公開していますので、
まずはそういったものからトライしてみてはいかがでしょう?
・「ひな寿司」でお内裏様とお雛様を作ってみる
ひな寿司とは、本来型抜きしたご飯に錦糸玉子や海老、いくらなどの
具材を載せたお祝い料理です。
ですが最近は、雛人形のお内裏様とお雛様を
かたどったかわいらしいひな寿司のレシピもたくさん公開されています。
薄焼き玉子の着物を着せたり、うずらの玉子と黒ごまで顔を
つけたりとそれぞれに工夫がこらしてあり、
レシピを見ているだけでなんだか楽しくなってしまいそうなほど。
料理の腕に覚えのあるお父さまやお母さまは、
ぜひ挑戦してみてくださいね。
●お母さまの実家で、雛人形を出してもらってお祝い
もしお母さまががご実家に雛人形を残している場合、
初節句をお母さまの実家でお祝いするという手段もあります。
お母さまからお子さまへ雛人形を受け継いでいくことができますし、
離れて住んでいる場合はお子さまの様子をおじいさまやおばあさまに
見せる良い機会にもなるでしょう。
お祝いの予定日より一ヶ月から二ヶ月程度前に相談し、
計画をたてるとスムーズになります。
もし雛人形の状態があまり良くない場合にも対応できるよう、
時間的余裕を持っておくことが大切ですね。
もしお父さまの側のおじいさま、おばあさまにも
来ていただくことができれば、
よりにぎやかな初節句になりそうです。
まとめ
雛人形がなくてもできる初節句のお祝い、いかがでしょうか?
豪華な段飾りを用意することは難しくても、
お子さまに「生まれてきてくれてありがとう、ずっと元気でいてね」
という気持ちを伝えることはどんな形でもできます。
かわいらしい手作りの親王飾りや愛情のこもった料理などで、
お父さまとお母さまの気持ちが伝わる初節句にしてくださいね。