「乙女心と秋の空」とはよく言ったものですが、
実はこの言葉は「秋の夜と男の心は七度変わる」
という言葉から派生したのだそう。
男女にかかわらず、人の心は移り変わりやすいものですね。
そんな風に例えられるほど、
移ろいやすくお天気も変わりやすいのが、
春や秋など季節の変わり目の空。
雨が降ったりやんだりしていると、
仕事で家を空けている間、外に洗濯物を
干していくのは不安ですよね。
雨に濡れてしまうのはもちろん、
途中で曇ってしまってきちんと
乾かないとイヤな臭いがしてきたり……。
せっかくお風呂でくつろいでも、
お風呂上りのバスタオルが臭うと
気持ち良さも半減してしまいそうです。
だからといって部屋干しにすると、
生乾きで臭いがついてしまうことも。悩ましいですね。
そこで今回は、部屋干しでついてしまった洗濯物の
イヤな臭いを徹底検証。
毎日使うタオルにつく臭いの原因や、
何度洗濯しても取れないガンコな臭いを
スッキリさせる方法をご紹介します。
気になるタオルの臭いの原因は何!?
バスタオルやフェイスタオル、タオルハンカチなど
タオル素材のものが自宅にたくさんある!という方も多いでしょう。
そんなタオル素材にイヤな臭いがついてしまうのは、
なぜ?原因を探ってみました。
●自分の体や、外から持ち帰ってきた雑菌
環境にもよりますが、空気の中には大小さまざまな菌が住んでいます。
仕事やお出かけでそういった雑菌を持ち帰ってしまい、
タオルに付けたままにしておくと
ミクロの世界で繁殖し始めるのです。
また、わたしたち人間の体にもたくさんの菌があります。
その中でも近年になって「こいつが臭いの原因だ!」
と判明したのが「モラクセラ菌」。
これは人間の口の中やのどの奥、
気道の中にも存在するとても身近な菌です。
モラクセラ菌自体に危険はありませんが、
モラクセラ菌はタオルに付着した皮脂や水分を
エサとして成長します。
そのときに生み出される「4M3H」という物質が、
イヤな臭いの大元なのです。
●洗濯機についたカビや汚れ
タオルを洗濯するための洗濯機にも、
イヤな臭いの原因が潜んでいます。
それは洗濯槽に残ってしまった汚れや、洗濯槽内のカビ。
洗濯機を購入したときに一緒にもらえる取扱説明書にも書いてある通り、
洗濯槽そのものも定期的に綺麗にしてあげる必要があります。
ただ洗濯だけを続けていると、
洗濯物から落ちた汚れや乾ききらなかった水分からはえたカビが
洗濯槽内に溜まってしまい、
それがタオルに移ることでイヤな臭いを発してしまうのです。
タオルを消毒したり定期的に新しいものを
買ったりしているのにすぐ臭くなってしまう……という場合は、
洗濯槽そのものが臭いの原因になっていることも考えられます。
しぶといタオルの臭いとサヨナラ!臭くならない方法とは!?
何度洗っても落ちない、しぶといタオルの臭い。
できればすぐに、簡単に消してしまいたいですよね。
ここでは、タオルからなかなか落ちない臭いの取り方をいくつかご紹介します。
・モラクセラ菌は熱に弱い!
近年、実験においてモラクセラ菌は60℃以上の熱の中に
おかれると死滅するということが判明しました。
【熱を使ってタオルの臭いを撃退する方法】
●電子レンジを使う
①臭いが気になるタオルを水で濡らし、軽く絞ります。
このとき絞りすぎると事故の原因になりますので、
タオルを持ったときに水滴がポタポタと
たくさん垂れてこない程度でオーケーです。
②濡らしたタオルをラップで包み、
500Wで1分から2分ほど電子レンジであたためます。
③あたたまったら、レンジから出してラップを取り、
洗濯機で洗濯します。
濡れたまま放っておくと雑菌が繁殖してしまいますので、
洗濯機を回す直前にあたためましょう。
この方法はバスタオルなど大きなタオルには向きませんので、
タオルハンカチやフェイスタオルなど小さめのタオルにおすすめです。
またポリエステルやレーヨン、ナイロンといった化学繊維は
電子レンジとは相性がよくありません。
電子レンジでの臭い取りをする場合は、
綿100パーセントのタオルを選んでくださいね。
●アイロンを使う
①いつも通りタオルを洗濯し、湿った状態のタオルにアイロンをかけます。
②全体にアイロンをかけたら、ほかの洗濯物と同じように干します。
アイロンだけで水分を全て飛ばそうとせず、
あくまで熱をもってモラクセラ菌をやっつけるのが目的の方法です。
タオルを焦がしてしまわないよう、アイロンの温度には気をつけてくださいね。
●煮沸消毒
①鍋に水を入れ、沸騰するまで温めます。
水が沸騰する温度は100℃なので、ボコボコと泡がたちはじめるまで
沸騰させてば確実に60℃以上になるのです。
②タオルを入れ、弱火で20分程度煮沸します。
タオルが鍋底にくっつきすぎないよう、
菜箸やトングを使ってときどき動かしてあげてください。
③煮沸が終わったら、タオルを軽く絞って
いつものように洗濯機で洗濯します。
そしてほかの洗濯物と同じように干してください。
熱はモラクセラ菌をやっつけてくれますが、
熱によってタオルの生地も傷みやすくなってしまいます。
臭いが気になりはじめたときにだけ行いましょう。
コインランドリーの乾燥機も、高温で乾燥してくれるため
モラクセラ菌の撃退にはぴったり。
電子レンジやアイロンを使うのが面倒だったり、
一枚ずつ電子レンジやアイロンにかけるには量が多すぎる!
という場合は、洗濯しながら雑菌をやっつけられる
酸素系漂白剤の力を借りましょう。
酸素系漂白剤を使うときは40℃程度のぬるま湯を使いますので、
タオルの生地をあまり傷めたくないという方にはおすすめです。
●タオル2枚から5枚程度、比較的少なめの場合
①バケツや風呂桶などに40℃程度のぬるま湯を溜め、
酸素系漂白剤を規定量溶かして消毒液を作ります。
②イヤな臭いのついてしまったタオルを作った消毒液に
15分から20分程度浸け置きします。
③その後軽く絞り、いつものように洗濯して干しましょう。
●タオルの数が多い、またはバスタオルなど大きなタオルの臭いを取りたい場合
①洗濯機に洗剤を入れたあと、酸素系漂白剤を入れます。
②漂白剤の外箱や容器に表記されている、
決められた量の40℃程度のぬるま湯を洗濯機の中に入れ、
そのまま洗濯をはじめます。
③終わったら、いつものように干してください。
酸素系漂白剤はたんぱく質を分解するはたらきがあるので、
毎日使うタオルについた皮脂や汚れを落としてくれます。
モラクセラ菌のエサがなくなったタオルは、
菌が繁殖しにくくなるので快適に使えるのです。
酸素系漂白剤かどうかは、容器に表記してあります。
わからない場合は、ドラッグストアの店員さんに聞いてみましょう。
また、酸素系漂白剤は塩素系漂白剤と混ぜてしまうと
危険なガスが発生します。
自宅に漂白剤がある場合は酸素系か塩素系かを確認し、
なるべく混ぜて使わないようにしてくださいね。
まとめ
梅雨時や季節の変わり目にはもちろん、
ふだんから部屋干しが多いという方も簡単にできる方法をご紹介しました。
変わりやすいお天気が続いたときは、
熱や漂白剤を使って綺麗なタオルを使い続けたいですね。